失敗も悩みも、ぜんぶ人生の糧
顔の特徴 | 愛染明王の忿怒相(ふんぬそう)は、典型的な五大明王の怒りの表現と共通しつつも、「愛と欲」を昇華する明王として、より複雑な表情を持ちます。 三目(額に第3の目):全方向・三世(過去・現在・未来)を見通す智慧の象徴 大きく見開かれた眼:煩悩に惑う衆生を見逃さない鋭利な視線 牙をむき出す口:煩悩を断ち切る力、真実を隠さぬ法の吼声(こうせい) 逆立つ赤髪(焔髪):情念を内に秘めず、烈火のように燃え立たせる象徴 眉間の皺と怒りの表情:これは恐怖というよりも、「衆生を救わずにはおかぬ」という大悲憤怒の顕れです この忿怒は、あくまで慈悲の一形態。 慈愛から発する怒りであり、「破壊ではなく変容」のエネルギーです。 |
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煩悩即菩提
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「煩悩即菩提」とは、 煩悩(ぼんのう)こそが、そのまま悟り(菩提・ぼだい)への道である という教えです。 普通の仏教(顕教)では、 煩悩(欲望・怒り・嫉妬・迷いなど)は「捨てるべきもの」「滅するべきもの」と教えられます。 しかし密教では、それをさらに深く見つめ、 「煩悩そのものを、否定することなく、 それを智慧に転じ、悟りの力に変えることができる」 と説くといわれています。 つまり、 あなたが感じる愛、怒り、悲しみ、欲望、迷い―― それらすべては、正しく向き合い、変容させるならば、 そのまま仏の智慧に変わるのです。 |
真言(カタカナ) | オン・マカ・ラギャ・バゾロ・シュニシャ・バザラ・サトバ・ジャク・ウン・バン・コク |
漢字 | 唵 摩訶 羅伽 婆曽嚕 修尼娑 婆誓囉 薩婆 若 吽 磐吒 |
1. オン(唵) サンスクリット語:Oṃ 2. マカ(摩訶) サンスクリット語:Mahā 3. ラギャ(羅伽) サンスクリット語:Rāga 4. バゾロ(婆曽嚕) サンスクリット語:Vasura 5. シュニシャ(修尼娑) サンスクリット語:Śuniśa 6. バザラ(婆誓囉) サンスクリット語:Vajra 7. サトバ(薩婆) サンスクリット語:Sarva 8. ジャク(若) サンスクリット語:Ja 9. ウン(吽) サンスクリット語:Hūṃ 10. バン・コク(磐吒) サンスクリット語:Vaṃka(またはBanka) | 1. 聖なる音の根本、宇宙のすべての始まり 仏教においては、真言の開頭に置かれる神聖な音であり、すべての存在を呼び覚ます響き。 2. 偉大なる・大いなる 形容詞であり、これに続く存在や力が「非常に大きな力を持つ」ことを示します。 3. 愛・情熱・愛着 本来は「染まりつくような深い愛情」「情念」を指します。 愛染明王が「愛欲」を象徴する所以の中核となる言葉です。 4. 自在なる者・栄光をもたらす力 仏尊の持つ力強い働き、自在に法を行じる能力を意味しています。 5. 純粋なるもの・清浄なる者 「修尼(シュニ)」は清らかな修行者、「娑(シャ)」は完成を意味し、 欲望の中にあっても心を清める力を指します。 6. 金剛(こんごう)=壊れることなき不滅の智慧 密教の最重要シンボル。すべての煩悩を打ち破る堅固なる力を象徴します。 7. 一切・すべて 「すべての存在」「あらゆるもの」を総括する語。 愛染明王の慈悲が一切衆生に及ぶことを示唆しています。 8. 生まれる、出現する 真理・智慧がこの世に現れ出ることを指し、愛染明王の法力が世界に現出する様を示します。 9. 成就・実現・即身成仏 真言や陀羅尼の結びに多用される力強い音。 祈りや誓願が即座に実現する力を表します。愛染明王のパワーの爆発的顕現を象徴。 10. 屈曲する、しなる、自在に操る 固定観念を打ち破り、柔軟に縁を操り導く智慧の働き。 愛染明王が縁結び、悪縁断ちなどの現世利益を司ることを意味します。 |
梵字サンスクリットのデーヴァナーガリー文字 | ॐ महा राग वसुर शुनिश वज्र सर्व जय हूं वंक |
真言(カタカナ) | オーン マハー ラーガ ヴァスラ シュニシャ ヴァジュラ サルヴァ ジャヤ フーン ヴァンカ |
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少し補足
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梵字(デーヴァナーガリー)で書かれると、真言そのものが曼荼羅(まんだら)的な力を帯びます。 ですので、この梵字を心でイメージしながら真言を唱えるだけでも、 愛染明王の智慧とエネルギーを自らの中に描く修行となります。 |
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